【インタビュー】移住者のリアルなライフスタイルを知る。福岡から小国郷に来て4年目の山本美奈子さんにお話を聞いてきた。

■美奈子さんのご自宅へ!

― ライフスタイルを知るにはご自宅へ…ということでお邪魔します!
ん?玄関越しに湯けむり…!?こんな光景見たことありません…さすが温泉地!

― そして、キッチンから歩いてたったの5歩で行ける蒸し場?!ここは初めて見るものだらけ…!

そうですよね(笑)温泉地に住んでいても、なかなかこんな物件ないと思います。移住してくる時にどうしても杖立に住みたかった私は、かなりの無理を言ってこのエリアの物件を探してもらいました。そしたらこの1軒だけ空き家があって!

案内をしてもらった時、家の中に入るより先にこの蒸し場が見えたんです。これが見えた瞬間「契約します!すぐ契約書書きます!」って言いました(笑)運命ですね。

●蒸し場とは
温泉から立ち昇る高温の蒸気で、卵・芋・野菜などを蒸すことができる調理場のこと。

― 美奈子さんのお家のすごいところは、蒸し場だけではありませんでした。一番衝撃を受けたのがここ…!

― 目の前に遮るものが何一つない。開放感あふれるこの景色、最高ですね!

ここからの景色は、四季の移り変わりと共に少しずつ変化していきます。そんな価値のある景色を毎日眺められるって、とても幸せですよね。

― たしかに、そう思える景色が広がっていますよね。こんな景色を眺めながらお酒なんて飲めたら、たまらないですね〜。

ちなみに、杖立に移住してこられてから『食』に関するワークショップやイベントなど数多く主催されているかと思います。前職は特に食関係のお仕事ではなかったと伺いましたが、もともと『食』に興味があったんですか?

確かに、前職はまったく関係なかったですね。むしろ、食に興味があるどころか、福岡での会社員時代の前半は朝はコンビニで菓子パン、昼はチェーン店の牛丼やファミレスで済ませて、夜は会社の人達ともつ鍋かやきとり、みたいな感じでした。(笑)

― 会社員で忙しいと「早く安く食べられたらいいや」という感じになってしまいがちですよね。でも、そこからどうして『食』に興味が?

ある日、友人の家の冷凍庫にあったものをこっそり食べた時(笑)、全身に蕁麻疹がでて顔もパンパンになって。そこで生まれてはじめて“口に入れたものが自分の体を作っている”という当たり前のことを実感しました。
そこから、週末は都会で遊んでいたのが郊外に目が向くようになって、 野菜ってどうやって作られるんだろうとか、お米ってどうやってできているんだろうとか。それを知るために、野菜作り体験などに行くようになったんです。

― それがキッカケだったんですね。

今思うと、食べ物も関係していたけれど、もしかすると、ストレスもあったのかな。暮らしている中では快適だと思っていました。でも、私には都会のスピード感が合わなかったんでしょうね。 自分でも気付いていないストレスが積み重なって、からだに異常な反応が出たんだと思います。

― そうだったんですね。気付かないうちに蓄積されたストレスに、からだがSOSを出したのかもしれませんね。さまざまなきっかけがあって『食』に興味を持たれたと思うんですが、これが食に目覚めた決定打!とかありましたか?

あります!それが“鰹節”です。私はいつも外食ばかりで、ほとんど料理ができなかったので勉強しにいこうと。で、まずは体にいいと言われている日本食を学ぼうと思ったら、絶対にレシピに「出汁3カップ」とか書いてあるんですね。

「出汁」とは「白い袋を破いて顆粒(かりゅう)を入れること」だと思っていたんです。私の親もそうしていたので。
ただ、どうやらそうじゃないらしいぞ…と分かりはじめ、誰か正しい出汁の取り方を教えてもらえないだろうかと、すがる思いで「出汁とり講座」に参加しました。それが生まれてはじめて“削りたての鰹節と昆布で出汁をとる”という体験でした。何も味付けしていない”出汁”を飲んだとき、身体中の細胞が喜ぶような感動を覚えました。

― そこから『鰹節』にハマっていったんですね。

とある出汁とり教室で、今もお世話になっている枕崎の鰹節屋さん「的場水産」の女将さんにミニ鰹節削り器をいただきました。 あまりにも可愛かったので、居酒屋で飲む時にウケ狙いで、カバンから鰹節削り器を取り出して削ってみました(笑)それを見て、一緒にいた人だけでなく、近くに座っていた人たちも寄ってきて大盛り上がり!想像以上に喜ばれた経験から、いつでも、どこでも鰹節を持ち歩く”削ラー”が誕生しました。
その後、子供たちに体験させたいから保育園でやってほしい!とお母さん方から声をかけてもらうようになって、鰹節削り体験講習をするようになりました。

― おもしろい!ウケ狙いのはずが、本格的な体験講習を自分でやっちゃうレベルになるなんて。人生って、ほんと何がキッカケになるかわからないですね。

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