【インタビュー】移住者のリアルなライフスタイルを知る。福岡から小国郷に来て4年目の山本美奈子さんにお話を聞いてきた。

― 都会と地方、働き方って違いますか?

そうですね。違うというか、福岡で営業をしていたときに、苦手なこと、やりたくないことに毎日全力を注ぐのってしんどいなって思っていて。
その後に転職した大学の事務員は、環境的にも恵まれていて不満とかはなかったんですが、あと何十年これを続けるんだろうと思った時に、自分がもっと楽しくいられる暮らしができたらいいなと思って。1日1日を”消化する生活”ではなく、”積み上げていく暮らし”をしたいなぁと。

そういうタイミングで食べ物を作る体験で郊外に行くことが増えて、そこで知り合った移住ガールたちの暮らしはなんて素敵なんだろうって思ったんですよ。
でも、田舎に移住してきている人って能力も情熱もぶっとんでいる人が多いんです。そんな中で、ただの会社員だった私がどうやって暮らしていけるんだろう…って思っていて。

でも、何もできない私が移住して、ちゃんと暮らせているというのが証明できたらなと思っています。
だから、今都会で暮らしていて「幸せかどうかわからない、でも日々働かないと暮らせない…」っていう人達が、「コイツで移住できるんなら、自分もできるんじゃないか?」と思ってもらえると嬉しいです。

収入は会社員の時の半分になったけど、暮らしは10倍豊かになりました。
数万円の小商いをいくつかやることである程度の収入になりますし、家賃が安かったり、おいしい野菜も頂けて、生活コストが安くて済みます。

好きなものに囲まれて、好きなことをして、自分のペースでのんびり暮らす。今は、毎日が”幸せでありがとう”です。

■おわりに

スピード感が早く、安くてとりあえず食べられれば何でもいい。消費社会でどれだけ稼げるか勝負。

そんな雰囲気のある東京での食事は、仕事のことや人間関係のこと、次にしなければいけないことなどを考えながらだったり、携帯片手に食べたりしがち。

でも、ここでの食事がおいしいのは、大自然の中で何にもとらわれることなく、目の前の「おいしい」に集中できるからなんだと思いました。

野菜をつくっている農家の方や料理を作っている方の顔が見えて、遠くから来てくれたから喜んでほしい!とおもてなしをしてくれるのは、小国郷だから。
そんな環境の中で、心から好きな場所で、好きなものに囲まれ、自然を楽しんで暮らしている美奈子さん。

『好きなことを真ん中に、丁寧に生きる』…小国郷という土地と、そこで作られるおいしい食材と、あたたかい人々。 そこで営まれる素敵なライフスタイルを知り、おいしすぎる料理を頬張り、大満足のインタビューとなりました。

▼”削ラー”の詳細
https://kezuler.jp

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