【インタビュー】移住者のリアルなライフスタイルを知る。福岡から小国郷に来て4年目の山本美奈子さんにお話を聞いてきた。

■小国郷の野菜。九州の調味料と器

― 朝ごはんを作ってくださった美奈子さん。

― キッチンには削りたての鰹節のいい香りが。

鰹節って出汁をとる時、押しちゃだめっていうじゃないですか。でも、きれいな鰹節を使っていると全然濁らないんです。どうぞ味見してみてください。

― うわっ!これ美味しい!!!出汁だけでゴクゴク飲めちゃうレベルですね。
ちなみに味噌はどこで買われたんですか?

これは自分で作ってます。

― えっ!味噌も自分で作られてるんですか?!

小国の大豆ってだけでもおいしいのに、蒸気で蒸すと味の濃さが全然違います。

― すごい…完全に“味噌は買うもの”だと思い込んでました。。ちなみに、キッチンにたくさん野菜のストックがあるなーと思ったんですが、これは何かこだわりとかあるんですか?

こだわりというか、近所の方や職場の方から野菜をもらったり、野菜を買いに行った時も、生産者が誰か分かるからついたくさん買っちゃうというか。笑
ここの暮らしの何が豊かって、野菜を作っている人の顔が見えて、その人の想いが見えて、作っている景色が見える。誰々さんの野菜だから美味しいに違いない!って。これは究極の豊かさだなと。

― 確かに!いい意味で田舎ならではというか、作っている人がわかる安心感は、さらに野菜を美味しく感じさせてくれますよね。
そして野菜と同じく、蒸し器とか食器とかもおしゃれなものがたくさんありますね!!

これは一個ずつ集めたんです。500円玉貯金をして、それが貯まったら数千円の蒸し器やお皿を買って、というのを何年も掛けて繰り返して。だからとても大事に使っています。

― なんだか、すごい丁寧な暮らしをされていますね。ボーナス出たから一気に10枚買っちゃおう!とかじゃなくて、少しずつ貯めて買うというのが親近感がわきます。

いやいや、そんな丁寧じゃないですよ。キッチンペーパーで鼻もかみますし。笑

■いざ、食さん!

― では、美奈子さんが入居を決めるキッカケにもなった蒸し場で調理されたお料理を頂いてみましょう!
開封の儀ですね!では、オープン!

― これはたまらん!おいしいそ〜!

― 絶景を眺めながら食べられるという幸せ…!

― 蒸し場でたったの3分!ほうれん草に豚肉をのせただけのシンプルな一品。

― 材料は長芋・海苔・ごま油・白醤油、仕上げに削りたての鰹節!これだけでご馳走ですね。
それでは早速いただいちゃいましょう!いただきまーすっ!

― ん〜!おいしい!おいしすぎます!使ってある素材自体はシンプルだけど、ここならではの調理方法で作られ、この絶景を見ながら食す。なんだかすごく贅沢…!

ちなみに、キッチンにもさまざまな調味料があるのを拝見したんですが、あれは何かこだわって集めているんですか?

そうですね。なるべく、昔からの”ちゃんとした”作り方をしているもの、九州のものを中心に買うようにしています。”身土不二”といって、自分が育った場所に近い産地のものが体に合っていて、健康でいられるそうです。調味料は“さしすせそ”が揃っていれば、簡単なドレッシングとかも作れます。いい調味料を使って、小国郷の新鮮な食材を食べれば、蒸しただけで十分に美味しい。私は野菜を蒸して出すだけなのに、料理の評価から、私の評価まであげてくれるのでありがたいです。笑

― この調味料でつくられた料理の味を知ってしまうと、できあいの調味料に戻れないですね。

■最高においしいと感じる瞬間

わたしが食事をする時、大切にしていることが3つあって。それが、

誰と食べるか、どこで食べるか、何を食べるか

この3つが揃うと、”おいしい”を超えて、”喜び”や”感動”に繋がると思ってます。

― どれもとても大事なことですね。どれかひとつ欠けても“究極”にはならない。今回、まさにその3つが揃って『最高においしい!』と感じる瞬間を体感することができました!

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